通院してタバコをやめる!「禁煙外来」ってどんなもの?

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(写真=Stock-Asso/Shutterstock.com)

喫煙は寿命を短くするとも言われています。タバコの煙を吸うと、その直後から血管が収縮し心拍数が増加、血圧も上昇し心臓に負担がかかるなど、循環器系に悪影響があります。また、煙中の活性酸素の影響で動脈硬化が促進され、脳梗塞のリスクが高まるという問題もあります。

とはいえ、タバコには強い依存性があり、それまで吸い続けていた人が禁煙するのは簡単なことではありません。医師が禁煙をサポートする「禁煙外来」は、そんな悩みに応えるべくできたものです。禁煙外来で行われている治療の流れや処方される薬について解説します。

自力で禁煙するのは想像以上に大変

タバコが生活の一部になってしまうと、依存状態から脱するのは想像以上に困難です。その大きな理由は、「ニコチン依存」と「心理的な依存」という2つの依存にあります。

肺から吸収され脳内に達したニコチンは、脳に快感や覚醒作用を与えます。これが繰り返されると、脳神経細胞はニコチンがないと正常な働きができなくなります。いわゆる「ニコチン依存」の状態です。

ニコチン依存症になると、脳が「タバコを吸うと不快感を解消できる」と記憶してしまいます。これが「心理的な依存」の正体です。

自分がニコチン依存症になっているかどうかを判断する目安になるのが、ニコチン代替療法の開発者であるファガストローム氏によって考案された「ニコチン依存症を判定するテスト(TDS)」というチェックリストです。

問1:自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか
問2:禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか
問3:禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか
問4:禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか
・ イライラ
・ 眠気
・ 神経質
・ 胃のむかつき
・ 落ち着かない
・ 脈が遅い
・ 集中しにくい
・ 手のふるえ
・ ゆううつ
・ 食欲または体重増加
・ 頭痛
問5:上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか
問6:重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか
問7:タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか
問8:タバコのために自分に精神的問題※が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか
問9:自分はタバコに依存していると感じることがありましたか
問10:タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか

これら10個の設問に回答し、「はい」の場合は1点、「いいえ」の場合は0点として、合計点数が5点以上になるとニコチン依存症の可能性が高いとされています。

禁煙外来での治療の流れ

禁煙外来は、医師の力を借りて禁煙に取り組むことができるものです。禁煙をサポートする禁煙補助薬の処方はもちろん、禁煙中に起こるさまざまな離脱症状に対しての相談にも対応してもらえるので、1人で禁煙するよりもはるかに成功しやすくなります。

保険適用内の場合、診療は12週間のうちに5回受けるのが基本です。初診では前述のニコチン依存症チェックに加え、息に有害物質である一酸化炭素がどの程度含まれているかの測定や禁煙経験の有無の確認を行い、その結果から禁煙補助薬の種類を決定します。

その後の診察では、体調チェックや一酸化炭素量の測定とともに、順調に禁煙できているかどうかを尋ねるカウンセリングや、処方された禁煙補助薬が正常に作用しているかの確認も行われます。

多くの場合、通院2回目には吐息に含まれる一酸化炭素量が非喫煙者と同程度になり、3回目を迎える頃には離脱症状もかなり改善されるそうです。通院4~5回目には禁煙の状態が安定し、1人でも禁煙を続けていく自信がついている状態になることを目指します。

禁煙をサポートする「禁煙補助薬」とは

禁煙外来を利用することの大きなメリットは、効力の高い禁煙補助薬を処方してもらえるところにあります。禁煙補助薬とは、禁煙による離脱症状を抑制する薬剤です。簡易的なものではドラッグストアなどでも販売されているニコチンガムやニコチンパッチが有名です。

これらは少量のニコチンを口や肌から摂取することで突発的な喫煙欲求を抑えるものですが、ニコチン依存の状態から1日も早く脱したいと思うのならば、本来はニコチンを断絶するのが一番いいはずです。ニコチンガムを噛むこと自体が癖になってしまうこともあります。

しかし禁煙外来では、ニコチンを含まない内服薬を処方してもらうことができます。これは少量のドーパミンを放出させることによって、イライラなどのニコチン切れの離脱症状を軽くするものです。

また、ニコチンが受容体と結合するのを防ぐため、タバコを吸っても「おいしい」と感じにくくなります。この2つの効果により、心理的な依存状態にある人でも禁煙に成功しやすくなるのです。

医師の指導のもとで薬剤を使用できるのも、禁煙外来の大きなメリットです。ニコチンパッチは長時間貼っておいたほうが効果が出やすいとされていますが、悪夢を見るなどの副作用の恐れがあるため、一般用のニコチンパッチについては、睡眠中ははがすようにと注意書きがあることが多いようです。

その点医師の指導のもとで使用する医療用ニコチンパッチは、睡眠中も貼っておくことができるので、起床直後の離脱症状も抑えることができます。

近年、世界的な禁煙の流れはますます勢いを増しています。2014年にはロシア、2015年には韓国で屋内全面禁煙となりました。喫煙者にとって、禁煙はなかなか難しいことです。禁煙外来でどのようなことができるのかを知っておくと、禁煙する際に役立つでしょう。

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